トヨタ自動車労働組合(鶴岡光行委員長、約6万3000人)は12日に開いた評議会で、2009年春闘で一般企業のベースアップ(ベア)に当たる賃金改善分として、月額4000円(組合員平均)を求めることを正式に決めた。18日に会社側に要求書を提出する。
物価上昇を反映し、昨年の要求額1500円から大幅にアップした。ベア要求は4年連続。年間一時金の要求は個別賃金の5カ月プラス20万円。組合員平均では190万円台後半で、業績悪化を反映し昨年よりも50万円以上減らした。
愛知県豊田市で記者会見した鶴岡委員長はベアを要求したことについて「環境は厳しいが、組合員が元気になり、日本経済が復活するきっかけづくりをしたい」と話した。ただトヨタは09年3月期の連結営業損益が初の赤字となる見込みで、交渉は難航必至だ。
また、期間従業員を中心とした非正規労働者の雇用維持などについて労使で協議することも社に申し入れる。鶴岡委員長は「不安を抱えている期間従業員は多く、できることからやっていきたい」と述べた。