米シティグループは12日、傘下の日興コーディアル証券売却に向けた入札手続きを始め、国内大手銀行3グループが買収に名乗りを上げた。シティは今後、複数回入札して売却先を絞り込む予定で、最終決定は数カ月後の見通し。
入札に参加したのは三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ。3グループは個人向け業務で強力な営業基盤を持つ日興コーディアルを取り込むことで、証券部門で他グループの優位に立つことを狙う。
ただ3グループとも金融危機の影響で業績が急速に悪化、自己資本の目減りも懸念されている。3000億−5000億円程度といわれる買収資金は大きな負担となるため、金額をめぐってシティ側との交渉が長期化する可能性もある。
三菱UFJは出資した米証券大手モルガン・スタンレーの日本法人と傘下の三菱UFJ証券の統合を視野に交渉中で、みずほも傘下のみずほ証券と新光証券の合併を5月に控える。三井住友も大和証券グループ本社と親密な関係にあり、3グループとも日興を買収すれば証券部門の戦略を練り直す必要が生じそうだ。