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2009年02月12日(木) 18時15分

国の特会、資産超過100兆円 「埋蔵金」活用に期待も東京新聞

 国の特別会計の資産から負債を差し引いた差額(資産超過額)が、2007年度末に28特会の合計で100兆円を初めて突破した。融資や資産の運用益などが積み上がり、前年度末から6兆円以上も膨らんだため。景気対策などに回せる「霞が関の埋蔵金」が眠っているとの期待から、積極活用を求める声が与野党双方で勢いづきそうだ。

 政府が国会に提出した決算書類によると、資産総額は約635兆円で負債が約534兆円。資産の内訳は現預金や有価証券のほか、道路・河川などが中心で、金利変動などで資産が目減りするリスクに対応する積立金も含まれる。

 問題は、このうち活用できるカネがどの程度あるかだ。

 約35兆円と資産超過が最も多い国債整理基金特会は、将来の借金返済に充てる資金で「流用」は難しい。為替介入のための外貨準備を管理する外国為替資金特会や、財政融資資金特会(現在は財政投融資特会の財政融資資金勘定)の資産超過分は、為替や金利の変動に備える積立金。財務省は「それぞれ目的があり、簡単には取り崩せない」と説明する。

 財務省は、特会と一般会計を合算した国全体で見れば負債の方が大きいとして「特会だけで議論しても意味がない」と主張するが、特会の財務内容の精査や一段の情報公開が求められるのは間違いなさそうだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021201000632.html