電機大手のパイオニアは12日、赤字が続くテレビ事業から2010年3月までに撤退することを柱とした構造改革計画を発表した。
世界で30社ある生産子会社を約3割減らし、正社員約6000人を含む約1万人を削減する。今後、生産効率化や財務基盤強化を目指し、他社との資本・業務提携も検討する。
テレビ事業では、英米のプラズマテレビ生産拠点を4月までに閉鎖し、静岡県袋井市の工場でのテレビ組み立ても10年3月末までに終える。テレビ事業以外では、DVD機器事業を筆頭株主のシャープと設立する合弁会社に移管し、カーナビゲーションやカーオーディオなど車載用品に経営資源を集中する。
パイオニアは08年4〜12月に正社員6000人弱を削減しており、今回の追加分を含めた正社員の削減数は約1万2000人に達する。08年3月末時点に在籍していた正社員の3・5人に1人が辞める計算となる。
また、09年3月期連結決算の業績予想を下方修正した。世界的な景気後退で、車載用品や薄型テレビの販売が予想を超えて落ち込んだためで、本業のもうけを示す営業利益の赤字幅は10月時点の170億円から690億円に、税引き後赤字も780億円から1300億円に、それぞれ拡大する見通しだ。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090212-OYT1T00837.htm?from=main1