【ブリュッセル11日共同】経営危機に陥ったベルギー最大手金融グループ、フォルティスの株主総会が11日、ブリュッセルで開かれ、ベルギー政府が中心になって立案した銀行部門の国有化と、フランス大手銀行BNPパリバへの売却を柱とする救済案を反対多数で否決した。
パリバ側は総会前に「株主の同意がなければ買収から手を引く」と言明しており、フォルティス救済は事実上、白紙の状態に戻った。
グループの破綻を回避するため、ベルギー政府は新たな救済案の提示を迫られる。解決に手間取れば、国内外の金融危機に大きな悪影響を及ぼす懸念がある。
フォルティスは昨年9月、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3カ国が部分国有化することで合意。10月にはオランダ政府がオランダ部門を分割し100%国有化、ベルギー部門はベルギー政府が一時買収後、大半の株式をパリバに売却する救済案が決まった。
だが、株価急落に抗議する株主らがベルギーで訴訟を起こすなどして反発。救済策の策定に当たったルテルム首相(当時)がこの訴訟に圧力をかけた疑惑も浮上し、ルテルム内閣は昨年12月に総辞職した。