新潟県は12日、北陸新幹線の建設で国から求められている約220億円の追加負担について、工事費増加の根拠を明確に示し、建設費の圧縮に努めるよう求める要望書を、建設主体である独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)に提出した。
同県の高橋総一交通政策局長から要望書を受け取った同機構の北川隆新幹線部長は「指摘を受け、誠意を持って説明したい。コスト縮減には常に努めている」などと答えた。
要望書は泉田裕彦知事名で、「自治体は地方交付税の大幅な削減などで財政状況が悪化しており、負担金増加への対応は困難」と指摘している。
一方、金子一義国土交通相は同日、記者団に「県民に理解が得られるような説明をするよう、鉄道局に指示した。(負担増は)新潟県だけではないので、ルールに沿って負担をしていただきたい」と説明。
国交省の春田謙事務次官は同日の記者会見で、建設費の3分の1を地元自治体が負担する現行の仕組みについて「今の枠組みで取り組んでいくことを理解してもらうのが大事」と、見直しには否定的な考えを示した。