2011年度にも消費税率を引き上げる方針を付則に盛り込んだ税制改正法案が12日の衆院本会議で審議入りした。鳩山邦夫総務相は小泉内閣時代の国・地方財政の三位一体改革について「失敗の部分がある。地方をここまで苦しめているのは、必ずしも正しくない部分があったと考えている」と批判的な見解を表明した。
麻生太郎首相は郵政民営化などをめぐる自身の発言に関して、これまでと同様に「常に一貫した主張をしている」と強調しながらも、「誤解があるならば、今後誤解のないように努めていきたい。慎重に発言していきたい」と反省の弁を口にした。
ただ、自民党が大勝した05年の衆院選に関しては「4分社化は郵政民営化関連法案に明記されていたが、争点はいくつかに分社化するかということより、民営化するかどうかであった」とし、経営形態の是非そのものは問われなかったとの認識を重ねて示した。
三位一体改革に関し、鳩山氏はその後の答弁で「すべてを否定しているわけではない。地方財政改革の第一歩であると評価している」と釈明。一方で国から地方へ税源を3兆円を移譲したものの、地方交付税を5兆円削減したため地方の財源不足が深刻化したと指摘し「結局、地方の税収入という意味で非常に苦しくなった面がある」と述べた。