北方領土返還運動の活性化を狙う超党派の議員連盟が、制定から四半世紀以上たった北方領土問題解決促進特別措置法について、議員立法による改正を目指していることが12日、分かった。
法制定時には実施されていなかったビザなし交流など4島交流事業を明記した上で、事業への国の役割を法律で明確化。政府の積極的関与を求めるほか、返還運動の拠点である北海道根室市などの地域振興の充実も盛り込みたい考えだ。
議連は自民、民主、公明、共産、社民各党の議員でつくる「北方領土返還・四島交流促進議連」。自民党の武部勤元幹事長が会長を、民主党の鳩山由紀夫幹事長が会長代行をそれぞれ務める。
元島民団体などからのヒアリングや各党の党内論議を踏まえ、早期に改正案を作成する方向。
ただ次期衆院選をにらみ麻生政権との対決姿勢を強める民主党は、超党派の活動を控えるよう所属議員に要請しており、今国会に提出できるか見通せない状況だ。
同法は「北方領土の日」が定められた翌年の1982年に制定。国民世論啓発や元島民支援などを通じての領土返還実現を目的としている。