JR東日本が自営の信濃川発電所(水力、新潟県小千谷市、十日町市)で許可された量よりも多く取水していた問題で、国土交通省は12日、河川法違反に当たるとして、近く同発電所の水利権の許可を取り消す方針を固めた。
JRによると、信濃川発電所は同社の使用電力量の22・9%を占め、主に山手線など首都圏向けに供給されている。
許可が取り消されれば、国交省に是正計画とともに水利権の申請書を提出し、許可を取り直すまで同発電所の操業はストップする。国交省は地元の理解が得られるまでは再許可はしない方針。
処分が長引けば電車の運行に支障が出る可能性もあるが、JRは電力会社からの購入や自営の火力発電で補い、影響を食い止めるようにするとみられる。同社は「処分について何も聞いておらず、コメントできない」としている。
JRによると、信濃川発電所では取水量を測るプログラムにミスがあり、1998年から2007年の10年間で計約1億8000万立方メートル多く水を取っていた。
国交省は、JRが07年の調査に「取水は適正」とうその回答をしたことなどから、改ざんに当たると判断した。
国交省によると、発電所の水利権許可の取り消しは07年、東京電力塩原発電所(栃木県)が違法な取水をしたとして処分されて以来2例目となる。