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2009年02月12日(木) 21時15分

防犯ビデオ、廷内で上映 被告の父「理解できない」東京新聞

 東京都八王子市で昨年7月に起きた無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた会社員菅野昭一被告(34)の初公判は、12日午後も東京地裁八王子支部(山崎和信裁判長)で続き、検察側は証拠調べで事件直後に現場の書店内を撮影した防犯ビデオを音声付きで上映した。事件現場の様子を収めた防犯ビデオが法廷で再生されるのは異例。

 女性店員らが包丁で刺された直後、レジカウンター内のほかの店員らが悲鳴を上げながら逃げ惑う姿が映し出されると、傍聴席に緊張した空気が流れ、菅野被告は長いすに座り直すなど落ち着かない様子を見せた。

 証人尋問には菅野被告の父親が出廷。仕事ができなかった悩みを分かってくれない両親への不満が犯行の動機とされたことについて「理解できない」と述べるなど、複雑な胸中を明かした。

 弁護人から「菅野被告から悩みの相談はなかったか」と問われると、父親は「こちらから仕事の状況を聞くことはあった」と答えたが、相談などは特になかったと説明。菅野被告に対しては「一生、罪を償ってほしい」と力ない声で話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021201000909.html