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2009年02月12日(木) 21時15分

被害女性に暴言の男、再逮捕 証人威迫と脅迫容疑、東京地検東京新聞

 傷害事件の公判で、証人尋問に答えていた被害者の女性に「またやってやる」などと暴言を吐いて脅したとして、東京地検公判部は12日、証人威迫と脅迫の容疑で住所不定、無職渡部栄治被告(43)を再逮捕した。

 公判廷での暴言により、同容疑で立件するのは異例。地検は、公判証言が立証の中心となる裁判員制度の実施を5月に控え、円滑な審理の進行を妨害する行為に厳しく対処するとともに、被害者保護の姿勢をあらためて強く示した。

 公判部は「こうした事態は(遺族らが)被害者参加制度を利用するかどうかの判断に影響することもあり、厳正に対処していきたい」としている。

 調べによると、渡部容疑者は東京地裁で9日開かれた公判で、ついたてで姿が見えないようにして証言していた30代の被害女性に対し「また出てきてやってやる。おれはおまえの顔を覚えているぞ」などと怒鳴り、脅迫した疑い。

 女性は両手で耳をふさいで証言台に突っ伏すようにして泣きだし、一時休廷。渡部容疑者は退廷を命じられた。

 女性は、被害者参加制度に基づき被告人質問などをする予定になっていたほか、刑事裁判手続きの中で被告に賠償請求できる「損害賠償命令制度」の適用を求め、慰謝料と治療費約60万円の支払いを申し立てていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021201000422.html