東京都世田谷区の阿部力也区議（４６）から選挙期間中にわいせつな行為をされたとして、選挙運動を手伝った３０代の女性が約１１００万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は１２日、区議に２２０万円の支払いを命じた１審判決を取り消し、女性の請求を棄却した。
原田敏章裁判長は、女性が半年以上も警察に届け出なかったことなどから「執拗（しつよう）で屈辱的な被害を受けた行動としては不自然で不合理。わいせつ行為は存在しないか、存在したとしても女性の承諾に基づくものだった」との判断を示した。
女性は２００７年４月、選挙事務所内で阿部区議に抱き締められ、キスをされるなどわいせつな行為を受けたとして提訴。昨年９月の１審東京地裁判決は、女性の主張通り、区議のわいせつ行為を認定していた。