2009年02月11日(水) 18時05分
<共産党>「雇用一本」で政府を追及 衆院予算委(毎日新聞)
共産党が、衆院予算委員会で雇用問題に絞って政府を追及する「一点突破作戦」を展開している。他の野党が天下り、かんぽの宿、郵政民営化などにも触手を伸ばす中でこだわりは際立っている。
「私は昨年2月(の予算委で)、派遣労働問題を取り上げて抜本的是正を求めた」。5日の衆院予算委で、志位和夫委員長はこう切り出した。昨年の質問の動画がネット上で好評を博し、「CGJ」(志位グッジョブ)と評されたことや、「蟹工船」ブームもあって党員は増加傾向にある。昨秋来の金融危機で「資本主義の矛盾」が指摘されたことも同党が雇用一本で存在感をアピールする格好の理由となっている。
09年度予算案審議で質問に立った4人は、沖縄出身の1人が米軍再編に触れた以外、雇用問題に特化した。
他党と一線を画するのは、独自調査による告発事例の豊富なことだ。「個別の事案には答えられない」との政府答弁を招きがちだが、「派遣切り」の現場の具体例を引き合いに出した質問には、麻生太郎首相からも「明らかに(労働者派遣法に)違反している」との答弁を引き出した。
志位氏は、大企業が株主配当や内部留保を増やす一方で非正規切りに踏み切る傾向を指摘し、「額に汗して働く労働者より、ぬれ手であわの大株主優先。資本主義としても堕落ではないか」と批判。首相が「共産党の委員長から『健全な資本主義』を説かれると、いろいろ考えるところがある」と苦笑する一幕もあった。【野口武則】
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