【ワシントン10日共同】クリントン米国務長官は十日、最近の北朝鮮の行動が「地域の安定や安全を脅かす行為の予兆ではないことを望んでいる」と述べ、韓国との合意無効化宣言や長距離弾道ミサイル発射準備情報に懸念を表明、挑発行動をけん制した。チェコのシュバルツェンベルグ外相と国務省で会談後、記者団に語った。
長官は十六日の初訪日を皮切りにインドネシア、韓国、中国を訪れ、北朝鮮政策の調整を進める方針。そうした状況で北朝鮮が挑発行動に踏み出せば、日韓などが反発、六カ国協議進展の障害となりかねないため、北朝鮮に自制を求めた。
長官は六カ国協議を通じ、北朝鮮の非核化や同国による大量破壊兵器の拡散阻止を目指す方針を確認。また「東アジア諸国はこの数週間の北朝鮮の行動を受け入れがたいとみている」と述べ、間接的な表現ながらミサイル発射準備の中止を求めた。
一方、オバマ政権に近いシャーマン元北朝鮮政策調整官は十日の討論会で、新政権が目指すべき方向について(1)朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和条約締結(2)北東アジアの地域安全保障枠組み構築(3)長期的目標を立てずに一歩ずつ進む—などの選択肢があると指摘した。
元調整官によると、ボスワース元駐韓米大使が先週訪朝した際、オバマ政権の態勢が整うにはなお時間がかかるが、しびれを切らして米国の関心を引くために挑発行動を取らないよう伝えたという。