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2009年02月11日(水) 17時07分

右派陣営が過半数確実に イスラエル総選挙中国新聞

 【エルサレム11日共同】イスラエル総選挙は十日夜、投票が締め切られ即日開票が始まり、開票率99%段階の獲得予想議席で、現与党の中道カディマが二十八議席を獲得、右派リクードの二十七議席を上回った。しかし全体では右派ブロックが過半数を占めるのは確実となった。

 昨年末から約三週間続いたパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃を受け有権者の右傾化が投票行動に表れた形。和平交渉に反対または消極的な右派ブロックが勢力を伸ばしたことで、オバマ米政権が積極関与を目指す和平プロセスは難航する公算が大きい。

 最終結果は軍兵士の投票などと合わせ、早ければ十二日夜に判明。上位二政党の順位が変わる可能性もある。投票率は65・2%だった。

 カディマ党首のリブニ外相は「次期政府はカディマが主導する」、リクード党首のネタニヤフ元首相は「私が次期政府の先頭に立つ」と述べ、両党党首それぞれが勝利宣言を行う異例の事態になった。リブニ外相はリクードに大連立を呼び掛けた。

 イスラエルでは大統領が新政権樹立を主導する党首を選び、組閣を指示する仕組み。いずれの党首が組閣指示を受けても、両党は単独過半数に遠く届かないため、国会(定数一二〇)の過半数確保に向けた連立協議は紆余うよ曲折が予想される。

 開票率99%段階の予想によると、カディマは改選前の議席を維持し、リクードは倍以上に伸ばした。極右政党「わが家イスラエル」は十四議席で第三党に躍進する見込みだが、中道左派の労働党は大きく減らし十三議席。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902110262.html