2009年02月11日(水) 00時56分
渡辺元行革相“討ち死に”か“第3極”か 11日「国民運動体」旗揚げ (産経新聞)
渡辺喜美元行政改革担当相は11日、脱官僚や地域主権を旗印に掲げる「国民運動体」の発足式を都内のホテルで開き、全国運動を正式に開始する。1月13日のたった1人の離党劇からほぼ1カ月たった渡辺氏だが、現時点でも世論から一定の支持を得ている。ただ、さらに時間がたてば存在感が薄れかねない。世論は渡辺氏に共鳴するのか、持論の第3極は形成できるのか、民主党と連携するのか−。「討ち死にリスク覚悟」(渡辺氏)の行動の成否は、国民運動にかかっている。(岡田浩明)
11日の発足式には、江田憲司衆院議員(無所属)、政治評論家の屋山太郎氏、道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦氏(PHP総合研究所社長)に加え、作家の堺屋太一氏(元経済企画庁長官)ら有識者が参加する。今後、全国各地で集会や遊説をするほか、首長や地方議員とも連携していく。
「霞が関(官僚)が政治も地方もコントロールしている。責任を負うべき麻生太郎首相は指導力を発揮していない」
今月1日夕、東京・有楽町の街頭で、江田氏と一緒にマイクを握った渡辺氏が声を張り上げると、買い物客が聞き入った。
フジテレビ「新報道2001」の5日の世論調査の「ポスト麻生」の設問では、渡辺氏は小沢一郎民主党代表(14・8%)、小泉純一郎元首相(10・4%)に続き3位(6・2%)だ。離党後の1カ月間で28本のテレビやラジオ番組に出た効果かもしれない。定額給付金を批判する渡辺氏には「給付金分を献金したい」と激励が寄せられている。
渡辺氏は三重県の松阪市長選(1月25日投開票)では無所属新人を応援し、有利とされた現職を破るのに一役かった。千葉県知事選(3月29日投開票)でも複数の陣営から、渡辺、江田両氏に応援要請がきた。
渡辺氏は9日の講演で、衆院選後に成立するかもしれない民主党政権について「第3極が勢力を確保しないと、非常に平等志向が強く、国際貢献に消極的になるかもしれない。公務員制度改革も進まない状況もありえる」と語った。
衆院選で地歩を固め、影響力を行使する考えを示したものだ。だが、自民党は「裏切り者」(幹部)と、とことん冷ややか。民主党には「渡辺氏に頼る必要なんかない」(幹部)との声も。人気の源泉のテレビ出演の依頼が続く保証もない。渡辺氏が主張を実際政治で実現できるのか、それとも討ち死にするのか、先行きは不透明だ。
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