東村山市が、2011年度に策定する市第4次総合計画を検討する「東村山の未来を考える市民会議」の参加者を募集したところ、想定した人数の約2倍となる72人が集まった。市財政の危機的な状況が、市民の街づくりへの関心を高めたとみられている。全員がメンバーとなった。
総合計画は、街づくりの基本理念や将来像を定める市政運営の指針。地方自治法で市町村に策定が義務づけられており、同市では1976年度に第1次総合計画が策定され、10〜15年ごとに見直している。
1〜3次の計画では、自治会長や各種団体の代表らを通じて市民の意見を反映させてきたが、今回は市民の生の声を計画に反映させようと、市民会議で意見をまとめることにした。
募集は昨年12月、市内在住、在勤、在学の人を対象に行われた。募集人数は30〜40人に設定し、「正直、集まるか不安だった」(間野雅之・市政策室主幹)。しかし実際には、予想を大きく超える18〜83歳の72人の応募が集まった。
人数を絞るべきだとの声もあったが、渡部尚市長が「一人でも多くの人の意見を聞きたい」とし、最終的には全員の参加を認めた。
1月31日の第1回には63人が出席し、話し合いの進め方などが決まった。月1回程度のペースで開き、「子育て」「教育」など8分野のグループに分かれて議論を進める。7月までに意見をまとめて、渡部市長に提言する。
市は昨年11月、現状のままでは早期健全化団体への転落の恐れがあるとして、財政健全化に向けた3年間の実施計画を発表している。曽我伸清・市政策室次長は「市にお金がないことは、かなり市民に浸透している」と話す。
多摩住民自治研究所(日野市)の大和田一紘・副理事長は、「市民を分け隔てなく受け入れた東村山市の姿勢は評価でき、新しい自治の芽が育っていると思う」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090210-OYT8T01144.htm