記事登録
2009年02月11日(水) 00時00分

からくり時計お疲れさま浅草・雷門前読売新聞

老朽化今夏撤去へ
浅草・雷門前から姿を消すことになった文化観光センターの「からくり時計」

 浅草・雷門前で20年近く観光名物だった、台東区立浅草文化観光センターの「からくり時計」が、センターの建て替えにより、今年の夏で姿を消すことになった。「ふるさと創生資金」の1億円をもとに設置され、住民らから愛されていたが、近年では老朽化が著しかった。2011年に、最上階にカフェも設置されるモダンな雰囲気の新センターに生まれ変わる。(金杉康政)

 からくり時計は縦4メートル、横5メートルの大きさで、午前10時から午後7時にかけて1時間ごとに、軽妙なおはやしの音色とともに人形たちが登場。三社祭の神輿(みこし)担ぎや、浅草寺で行われる白鷺(しらさぎ)の舞、金龍の舞を披露している。1990年に区が設置した。

 しかし、ここ数年は故障が多く、交換用の部品も不足。年間維持費は約200万円に上る。

 銀行の支店だった51年建造のビルをもとに、85年にオープンした浅草文化観光センターも、老朽化が進んだため、区は建て直しを計画。維持が難しいからくり時計を残さないことを前提に、設計コンペを実施した。

 新センターは、現在の3階建てよりも高い7階建て。壁面をガラスにし、江戸の長屋をイメージした木の格子を組み合わせた斬新な外観だ。区は新年度予算案に、現在の建物の解体費と基本・実施設計費として3億291万円を計上している。

 一方、区は、からくり時計を取り外して展示保存することを検討している。区観光課は「長年、地元の人たちや観光客に愛されてきた施設。何らかの形で残していきたい」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090211-OYT8T00125.htm