3月12日の告示が約1カ月後に迫った千葉県知事選(3月29日投開票)は、2期目の堂本暁子知事(76)が勇退を表明、構図がほぼ固まった。自民、公明、民主の3党が当初、模索した相乗りが破談になり、分裂状態の自公に、民主党の推薦候補が挑む事実上の三つどもえの形。混戦は必至で、“千葉都民”と呼ばれる都市部の無党派層の動向が鍵とみられる。
前回、自民党県連の支持を受け、堂本知事に約6000票差に迫った俳優の森田健作元衆院議員(59)。「選挙後にあいさつもなかった」(県連幹部)と批判されたが、自主投票となった自民党県議55人のうち約30人と関係を修復、支援を取り付けた。高い知名度を武器に無党派層への浸透を狙う。
森田氏に対抗しようと自公民が相乗りを模索した白石真澄関西大教授(50)は、民主党県連から推薦を取り消され、堂本知事も支援要請を拒否。結局、公明党が支援するほか、8日の事務所開きには自民党県議16人も出席した。出馬表明した5人の中で唯一の女性候補であることも強み。
堂本知事から後継指名された第三セクター「いすみ鉄道」(同県大多喜町)前社長の吉田平氏(49)は民主党県連の推薦に加え「全政党に開かれた姿勢」と社民党など非自公勢力の結集を目指す。経済界の後押しを受けるほか、一部の自民党県議が支援に回るという見方も出ている。