【北京11日共同】中国漁船「天裕8号」が昨年11月にアフリカ東部ケニア沖で海賊とみられる武装集団に乗っ取られ、今月8日に約3カ月ぶりに解放された事件で、日本人船長の久貝豊和さん(53)=沖縄県八重瀬町=は11日、共同通信の電話取材に対し「銃を持った10人ぐらいの男が船内にいた。威嚇のため、朝晩、船外に向かって銃を発砲していた」と監禁生活を語った。
久貝さんの健康状態は良好だという。「武装集団はわれわれに銃を向けることはなかったので、怖いとは感じなかった」とも述べた。
武装集団は漁船を乗っ取った後、ソマリア沖で停泊や移動を繰り返しながら監禁を続け、1週間から10日おきに数人ずつメンバーを交代させた。
約3カ月の間、久貝さんは船長室、船員はデッキで寝起き。ただ、手足を縛られることはなく、監禁中は2、3回、家族らと電話連絡を取ることが許された。食事も自分たちで作って食べた。武装勢力側にはコック役もおり、自分たちの分を作っていた。
漁船は現在、中国海軍艦船の護衛を受け、ソマリア近海から中国に向けて航行中。中国のどこに向かうか具体的な指示は受けていないという。