環境省が今国会に提出する自然公園法と自然環境保全法の改正案が11日、明らかになった。国立・国定公園内の重要な地域の生態系を守るため、本来いない動植物を持ち込み放つことなどを禁止し、違反者には「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」を科す。
さらに(1)生態系の被害の防止などを目指す「生態系維持回復事業」(2)干潟などを保護するため海中公園の対象範囲を海上にまで拡大する「海域公園」制度−の創設も盛り込んだ。3月にも閣議決定する。
動植物の持ち込みをめぐっては、支笏洞爺(北海道)や白山(富山、石川、福井、岐阜)の両国立公園で本来分布しないコマクサの生育が確認されている。富士箱根伊豆国立公園の三宅島(東京都)では、ネズミ駆除の目的で放たれたイタチが希少な爬虫類や鳥類を捕食し生態系に影響を与えている。
このため改正案では、公園の特別地域など自然や生物多様性の保全の面から重要な地域については、無許可で環境相が指定する植物を植えたり、動物を放すことを禁止するなどとした。