近い将来の発生が予想されている東海地震や宮城県沖地震などの海溝型地震で、地面がゆっくりと大きく揺れる長周期地震動が、震源近くよりも遠く離れた首都圏の平野部などで広範囲に起きる可能性があるとの研究結果を、東京大などが11日までにまとめた。
結果は、政府の地震調査委員会が「長周期地震動予測地図」として、近く公表する予定。
纐纈一起東大教授(応用地震学)によると、こうした揺れは震源からの距離よりも地下構造が影響する。堆積によってできた平野などの固有周期と一致するため、「広い平野ほど長周期地震動で揺れやすい」という。
纐纈教授らは、地震波の分析やボーリングのデータなどから、各地の地下数キロまでの堆積層や岩盤などの構造を調べ、東海地震、東南海地震、宮城県沖地震による各地の長周期地震動を計算、揺れの強さを示す1秒当たりの「速度」を求めた。