2009年02月11日(水) 00時00分
「大光」社長を逮捕 鹿島裏金で脱税主導容疑(中国新聞)
キヤノン関連施設工事を受注した大手ゼネコン鹿島からの裏金をめぐる脱税事件で、東京地検特捜部は十日、法人税法違反容疑で、大分市のコンサルタント会社「大光」社長大賀規久容疑者(65)ら七人を逮捕した。
特捜部は、大賀容疑者が一連の脱税工作を主導したとみて、三十億円に上るとされる巨額の隠し所得の使途など不正蓄財の実態解明を急ぐ。
ほかに逮捕されたのは、大光の元取締役で元大分県議会議長長田助勝(80)、大光グループの内装工事会社「ライトブラック」(大分市)の元社員小嶋三郎(61)、元社員橋本重紀(61)の三容疑者ら六人。この事件での逮捕者は計十二人となった。
特捜部の調べによると、ライト社の社長も兼ねる大賀容疑者らは、大阪市の「浪速コンサルタント」社長難波英雄容疑者(61)=法人税法違反容疑で逮捕=らと共謀。二〇〇六年五月期までの二年間に売り上げの一部を除外するなどして、ライト社がキヤノンの工場建設工事に絡み鹿島から受け取った裏金など計約九億七千六百万円を隠し、法人税計約二億九千二百万円を免れた疑い。
脱税工作には、福岡県久留米市の造園工事会社「内山緑地建設」も架空取引に介在する形で関与したとみられ、大分支店長望月敏生容疑者(52)ら同社の担当者二人も逮捕された。
関係者によると、鹿島は〇三年以降、キヤノンから大分市内の二工場や川崎市内の研究施設の建設工事を受注。二工場については用地造成工事を大分県土地開発公社と随意契約した。
大賀容疑者は、これらの工事を受注できるよう仲介し、鹿島から裏金を含む手数料などを受領。隠した所得の多くはキヤノンを中心に複数銘柄の株取得費に充てられ、親族名義での購入分もあったという。
大賀容疑者の兄は、大分出身の御手洗冨士夫キヤノン会長と地元高校の同級生。大賀容疑者自身も同会長と親交を持ち、キヤノン関連工事の業者選定に影響力があるとされていた。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902110122.html