キヤノン関連施設工事の受注をめぐる脱税事件で、逮捕された大分市のコンサルタント会社「大光」社長大賀規久容疑者(65)が、大阪市の「浪速コンサルタント」社長難波英雄容疑者(61)に架空の領収書発行を依頼して裏金づくりを続けてきた疑いの強いことが11日、関係者の話で分かった。
大賀容疑者は約20年前から難波容疑者の架空領収書を利用していたことも判明。工事を受注した鹿島が難波容疑者を受け皿にして巨額の裏金をつくったとされる今回の脱税枠組みについて、東京地検特捜部は、大賀容疑者の発案だった可能性が高いとみて両容疑者を調べている。
大賀容疑者らは、キヤノンが発注した大分市内の工場や大分県土地開発公社発注の用地造成工事などを鹿島が受注できるよう仲介。架空の業務委託費を計上するなどの手口で、鹿島から受領した裏金や手数料などを隠した疑いが持たれている。
直接の逮捕容疑は、大光のグループ会社「ライトブラック」の法人税約2億9200万円を脱税した疑い。
関係者によると、難波容疑者は、兵庫県三田市の設計会社「環境デザイン研究所」など数社の経営に関与。これらの企業が大光やライト社から業務を受注したように装い、大賀容疑者側に架空の領収書を提供していたとされる。
大賀容疑者と約20年前に取引した知人は、難波容疑者の用意した架空領収書を大賀容疑者から渡され、「この領収書を使えば税金を免れることができる」などと説明を受けたという。
この知人は「大賀容疑者は当時から、(架空領収書を発行して脱税を指南する)『B勘屋』と呼ばれていた難波容疑者を利用していた」と話している。
(2009年2月11日20時37分 スポーツ報知)
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