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2009年02月11日(水) 23時05分

<サッカー>あと一歩、大きく 日豪ドロー毎日新聞

 11日に横浜国際総合競技場で行われたサッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選A組。今、持てる力は見せた。オーストラリアにスコアレスドローという結果は、日本の現在の位置をそのまま反映したものだろう。実力のきっ抗した相手に対して主導権は握るが、勝利には届かない。「あと一歩。その一歩がとても大きい」と中村俊。そんな勝ち点1だった。

 球際に厳しく向かって流れを引き寄せ、サイドから崩す。そんな狙いが実を結ぶかに見えたのが、前半5分のシーンだ。長谷部が右前方にパスを出し、スピードに乗った田中達がサイドをえぐり、玉田がニアサイドで合わせる。「いい形が作れていた」と振り返ったのは遠藤。それでも1点が遠く、岡田監督は「この精度、この回数ではいけない。続けていく以外にはない」。決定力不足を補うためには決定機を増やす。日本に突き付けられた命題を、再確認させられた格好だ。

 この日、日本のボール支配率は約62%で、シュート数もオーストラリアの3本に対して11本と圧倒した。体格では劣るが体を寄せ、人数をかける守備を徹底し、無失点に抑えた。だが、オーストラリアが本来の姿ではないことも明白。長距離移動や準備期間の短さでコンディションは悪く、しかも日本のホームゲームだった。中沢は「相手はけが人もいてベストではなかった。体もキレていなかった。だからこそ悔しい」と唇をかむ。

 予選の半分を終え、「確実に進歩している」(岡田監督)ことは証明した。だが、まだ目指している道の半ばであることもまた、明らかになった試合だった。【江連能弘】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090211-00000077-mai-socc