2009年02月11日(水) 22時44分
宇治市が歴史観光テーマパーク構想 4月から整備(産経新聞)
古代から近現代まで重層的に発展し、さまざまな歴史・観光資源をもつ京都府宇治市が、中心部の宇治橋周辺の宇治川流域約235ヘクタールを「一大テーマパーク」に見立て、歴史的景観を保存しながら整備していく5年がかりの構想を立て、4月から下準備に着手する。平成20年に都市景観としては全国で初めて「重要文化的景観」選定が決まった勢いにも乗り、市は「1600年のタイムトラベル」が楽しめる環境を整えてさらなる観光促進を図る。
宇治橋周辺には、世界遺産の平等院などに加え、古墳時代の応神天皇の皇子・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の墓や、平安以来の都市基盤を受け継ぐ街区、茶文化を支えた茶園や茶師屋敷などがある。
19年には豊臣秀吉が築いた「太閤堤」の遺構が宇治橋北側で確認され、うち2・2ヘクタールが21年中に国史跡指定を受ける見通し。源氏物語「宇治十帖」の舞台でもあり、観光客は増加傾向だが、宿泊観光が少ないという課題があり、市ではさらに魅力を高めようと、今回の構想を描いた。
整備は「秀吉と茶の湯」「源氏物語」などのテーマに沿って進める方針。最初に具体案策定に取りかかる太閤堤周辺では、太閤堤を紹介する記念館や、秀吉の茶の湯を再現したり宇治茶の製造工程を紹介する施設を建設。隣接する菟道稚郎子墓の森が眺められる遊歩道や、宇治十帖の主人公の一人・浮舟の石碑を置いた広場も整備する方針だ。
このほか、平等院の参道や江戸時代をほうふつさせる茶問屋、明治の面影を残す旅館など、歴史横断的に景観を守る計画だ。
市は4月に都市計画と文化財などの保存を一体的に行う課を新設し、21年度中に具体案を策定し、事業を本格化させる方針。「宇治を、通過型からゆったり滞在してもらえる観光地に転換させたい」としている。
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