2009年02月11日(水) 22時37分
猛火のなか生き残った2邦人、豪山火事の被災募金始める(読売新聞)
【ウイットルシー(豪南部ビクトリア州)=岡崎哲】オーストラリア南部ビクトリア州の山火事で難を逃れた神戸市垂水区出身の中田未来さん(27)と、沖縄県大宜味村出身の平良真生さん(22)が、被災者のために募金活動を始める。
メルボルンの北約70キロのマリーズビルで被災し、猛火の山中を150キロ、車で4時間以上さまよった2人は、「家族や財産を失った被災者を助けたい」と話している。
2人はワーキングホリデーに参加し、現地の宿泊施設で働いていた。7日午後6時半、宿泊施設経営者のブルース・モローさん(47)家族と夕食中、周囲が火の海に包まれた。宿舎に財布や旅券を取りに戻ろうとしたが、「すぐ逃げないと死ぬ」とモローさんに引き留められ、車に飛び乗った。
中田さんは「逃げ切ったと思うと、すぐに猛スピードで火の手が迫った」と振り返る。平良さんは、8日未明にメルボルンの摩天楼が見えた時、「初めて安心した」と話す。だが、宿泊施設は全焼。「保険にも加入していなかった」とうなだれるモローさんに、2人はかける言葉もなかった。
中田さんは、中1の時に阪神大震災を経験。「この命は無駄に出来ない」と語り、平良さんとともに募金を通じて豪州に恩返しをするつもりだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090211-00000053-yom-soci