十三、十四の両日にローマで開かれる先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の主要議題が十日固まった。金融と実体経済がともに悪化していく「負の連鎖」を食い止めるため、各国が迅速に行動していくことで合意。輸入制限など保護主義への反対姿勢を明確に示すほか、途上国支援へ国際通貨基金(IMF)など国際機関の改革も議論する。
会議では、危機の「震源地」である米国のガイトナー財務長官が、オバマ政権の景気対策や新たな金融安定化策を説明。各国は、昨年十一月の二十カ国・地域(G20)緊急首脳会合(金融サミット)などを受けて進めてきた金融、財政両面の対応を検証した上で、追加策も協議する。
日本からは中川昭一財務相兼金融担当相と白川方明日銀総裁が出席。総額七十五兆円の経済対策や金融緩和措置を説明する。
米議会で審議中の景気対策法案に米国製品の購入を義務付ける「バイ・アメリカン条項」が盛り込まれるなど、各国で保護主義的な動きが台頭している。一九三〇年代の大恐慌では関税引き上げ合戦が世界不況を泥沼化させた反省を踏まえ、G7は共同声明で保護主義阻止の決意を表明する見通しだ。
資金不足に陥った途上国支援では、IMFが中核的な役割を果たすべきだとの認識を共有。日本はアジア開発銀行(ADB)の増資を呼び掛ける。為替相場安定の重要性も確認するとみられる。
食料危機やアフリカ支援、地球温暖化対策なども議論。十三日の夕食会では、ロシアや国際機関の代表を招き、市場の健全性と透明性をテーマに意見交換する。