2009年02月11日(水) 22時01分
<拉致被害者>田口さん家族との面会、日韓協力の象徴に(毎日新聞)
【ソウル西脇真一】北朝鮮の工作員だった金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚と拉致被害者の田口八重子さんの家族との面会が実現すれば、拉致問題の進展が見られない中で、この分野における日韓協力の象徴的なものになる。
太陽政策を掲げた金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)両政権時は、北朝鮮を刺激しないよう黄長※(ファンジャンヨプ)元朝鮮労働党書記=韓国亡命中=らの活動を制限。また、日本の警察当局が、日本人拉致を韓国の裁判で認定された北朝鮮元工作員の再聴取を韓国政府に求めたが、当時の金大中政権は北朝鮮へ送還してしまった。
柳明桓(ユミョンファン)外交通商相が面会に言及した背景には、過去の政権とは一線を画す李明博(イミョンバク)大統領の対北朝鮮政策がある。日本の警察関係者は「拉致事件捜査に関する日韓協力は強まっている」と指摘。政府関係者は「面談で新事実は出ないだろうが、協力の象徴としての意味がある」と話す。
一方、経済危機で厳しい政権運営を強いられる李大統領にとって支援獲得のための対日カードの意味を持つ。昨年12月に合意した日韓通貨交換協定の融通限度額引き上げは4月末までの時限措置だが、韓国内では延長を求める声が出ており、日本の経済分野での支援に期待は高い。
※は火へんに華
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