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2009年02月11日(水) 21時46分

屈辱から2年8カ月 たくましさ増した中村俊輔産経新聞

 真っ青なスタンドに浮かび上がる日の丸。スタンドの期待に応えるように、日本は開始からエンジン全開だった。そんなチームをひときわ大きなジェスチャーで動かす中村俊。ピッチ上に「監督」がいる日本はやはり、1ランク強くなる。

 3年前のドイツW杯豪州戦。中村俊は自ら先制弾を決めたが、体調不良で満足とはほど遠いプレーに終わった。チームも終盤に連続3失点し逆転負け。あのとき受けた傷は、今も中村俊の心に深く刻まれている。「W杯で負けた悔しさは2度と取り返せない。3−0で勝ってもね。だから同じことは繰り返さない」。雪辱という直接的な言葉こそなかったが、豪州戦にかける思いは強い。

【フォト】用意はいいか2010年はすぐそこだ!!

 そのために、海外組では誰よりも早い5日に帰国。その日チームはオフだったが、夜のうちに宿舎に入った。岡田監督によると、中村俊が合流してから「食事の後、選手が部屋に帰るのが遅くなった」という。率先して仲間と話し合い、豪州撃破のイメージ共有を図ってきた。

 ドイツW杯後、中村俊は自身のプレーより「チームとしての機能性」を強く意識するようになったという。オシム、岡田両監督が取り組んできた「人とボールが動くサッカー」こそ、日本の進むべき道と信じるからだ。

 「どこが通じて、どこが通じないのか。(豪州戦で)日本が強みにしていくところがわかるはず」。屈辱から2年8カ月、リベンジとその先にある2010年への手応えを求め、中村俊はピッチをかけた。(森本利優)

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