北海道のオホーツク海沿岸地方では流氷が陸近くまで近づき、厳冬期の観光シーズンが本格化した。だが景気悪化に加え流氷の到来が遅いという悪条件下で、観光業者は客足の減少を懸念している。
網走市の道東観光開発が運航する観光砕氷船「おーろら」は十日昼、岸まで一キロほどに近づいた流氷帯に進入。デッキを埋めた観光客は、白い流氷帯と砕氷船が残す青い航跡のコントラストに見入った。
今年の網走は流氷が岸から確認できたのが平年の一月二十日より大幅に遅れ二月三日。同社によると、普段は一日約四千人の客足が今年は約二千五百人と出遅れ気味。「問い合わせは多いが胸を張って『流氷は大丈夫』と言えない状況だ」と担当者は困り顔だ。
【写真説明】北海道網走市沖に漂う流氷の中を航行する観光砕氷船「おーろら」=10日午後、共同通信社ヘリから