三菱UFJフィナンシャル・グループなど国内の大手銀行三グループが、米シティグループ傘下で個人向け業務を手掛ける日興コーディアル証券について、買収の意向を週内にもシティ側に伝える見通しであることが十一日、明らかになった。
大手銀行グループが名乗りを上げることで、日興コーディアルの争奪戦が正式にスタート。ほかにも複数の金融機関が参加する可能性があり、国内証券業界の再編に向けた動きが活発化する。
三菱UFJ以外には、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループが買収の意向を示す方針。三グループは今後、日興コーディアルの資産査定などに着手し、それぞれの証券事業戦略と照らし合わせながら買収への作業を本格化させる。
シティは数回にわたって入札を実施するとみられ、日興コーディアルの売却額については三千億—五千億円程度になるとの見方が出ている。ただ、世界的な金融危機の影響で大手銀行も資金に余裕はなく、価格や条件をめぐり交渉の長期化も予想される。