2009年02月11日(水) 20時48分
イスラエル総選挙、右派勢力躍進で中東和平停滞へ(読売新聞)
【エルサレム=三井美奈】オルメルト首相の辞任表明に伴うイスラエル総選挙(定数120)は10日、投開票が行われた。
中央選管の発表(開票率99・7%)によると、対パレスチナ和平プロセス前進を訴えるツィピ・リブニ外相(50)率いる最大与党の中道カディマが28議席を獲得し、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相(59)が率いる最大野党の右派リクードの27議席を抑えて第1党の座を守った。ただ、和平に消極的な右派勢力が合計65議席を占め、中東和平プロセスの進展は当面難しくなった。
リブニ氏は11日未明、「国民はカディマを選んだ」と述べ、リクードに連立政権参加を呼びかけた。一方、ネタニヤフ氏は右派が多数派となったことを強調し、「次期政権を主導するのは私」と主張、両者が「勝利宣言」する異常事態となった。
今回の総選挙は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃の直後に行われたこともあり、国民の右傾化傾向が顕著に出た。強硬右派「我が家イスラエル」が15議席(現有議席11)を獲得して3位となり、和平推進派の第2与党・労働党は13議席で4位に転落した。カディマ(同29)は、行き過ぎた右傾化を警戒する浮動票を選挙終盤になって取り込み、第1党を維持した。
選挙結果を受け、ペレス大統領は各党党首と協議し、来週にも、連立を実現する可能性が最も高い党首に組閣を要請する。「我が家」の意向がカギを握るとの見方が強い。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090211-00000046-yom-int