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2009年02月11日(水) 19時20分

日産内定の大矢、進路の不安振り払えず敗退 卓球トップ12産経新聞

 得点が入るたびに大きな声を張り上げ、己を鼓舞した。しかし、不安を振り払うことはできなかった。1次リーグで敗退した大矢英俊(青森大)は、内定先の休部という事実と向き合いながら戦っていた。

 日産自動車が経営合理化の一環として、卓球部の休部を発表したのは9日。ナショナルトレーニングセンターで合宿中の大矢は佐藤監督から午後9時に電話で連絡を受けた。「頭が真っ白になった」。すぐさま他の内定者3人と集まり、今後について話し合った。話し合いは午前2時過ぎまで続き、その日はほとんど眠れなかったという。

 発表から2日たった、この大会でも、「就職先のことで頭がいっぱい」という状態。初戦は何とか勝利したものの、2戦目の岸川戦ではフォアハンドのミスが続出した。「気持ちが大事だと実感した。悔いが残る」。無念そうにつぶやいた。

 4月から始まる世界選手権の代表に決まっているが、今後についてはまだ未定だ。ただ、休部が決まった後、声をかけてくれたチームもあるという。「早く就職先を決めて、ベストな状態で練習したい」。心の底から言葉が出た。(行場竹彦)

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