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2009年02月11日(水) 19時12分

バレンタインデーにピンクの女性下着? 騒がしいインド産経新聞

 【ニューデリー=田北真樹子】インドでは西洋文化の象徴として、2月14日のバレンタインデーを敵視する風潮が宗教界の一部にあり、抗議活動が年々激しさを増している。特に今年は、女性の飲酒などがインド文化に反するとしてヒンズー過激派がパブを襲撃した事件の後だけに、当局はこれに同調したカップル攻撃を警戒する。女性団体も過激派リーダーに対し、バレンタインデーにピンクの女性用下着を贈るプレゼント攻勢で対抗する構えだ。

 先月末、南部カルナタカ州マンガロールのパブを襲撃し女性客に暴行を働いたヒンズー過激派、「スリラーマ・セナ」(SRS)のプラモド・ムタリク代表は「バレンタインデー当日、大学周辺などでの抗議活動以外に、公衆の面前でデートしているカップルを強制的に結婚させる」と息巻いている。

 SRS以外のヒンズー至上主義団体も14日を前に、バレンタインカードを燃やしたり、カップルを公園から追い出したりするなどの抗議活動を始めている。

 インド文化保護を掲げた、こうした自警団のような動きに、襲撃事件があったばかりのカルナタカ州は警戒を強化。首都ニューデリーでも、警察当局がカップルへの迷惑行為予防のため特別態勢を取る方針だ。

 こうした中、今月5日には、SRSに反発する女性を中心に、新たな団体が発足した。同団体は、SRSのムタリク氏にバレンタインデーのプレゼントとしてピンクの女性用下着を贈ろう−とインターネット上で訴えている。建国の父、マハトマ・ガンジーが実践した“非暴力による抵抗運動”にならった活動とみられるが、わずか1週間足らずで、すでに国内外から1万人を超える賛同者を得ているという。

 パブ襲撃事件の真相究明を求めている中央政府のレヌカ・チョードリー女性・児童担当相は、「バレンタイン当日は、マンガロールのパブに押しかけてムタリク氏の挑戦に対抗しよう」と女性などに呼びかけており、今年のバレンタインデーは例年以上に騒がしくなりそうだ。

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