仙台市立荒町小学校(糟谷文夫校長)の児童のメッセージが込められた野球のボールが今月下旬にも、宇宙飛行士若田光一さんとともに宇宙へ旅立つことになった。
きっかけは、読売巨人軍の選手が小学生と一緒に給食を楽しむ事業「スクールランチ」に若田さんが興味を持ったことだった。選手たちが昨年9月までに訪問した全国各地の小学校は、43校にのぼる。その中から選ばれた9校の児童たちが記したメッセージ入りのボールが、若田さんの搭乗するスペースシャトル「ディスカバリー」に積み込まれることになった。
荒町小には昨年6月、野間口貴彦、東野峻両選手が訪れていた。同小の代表になった4年1組の生徒たちは、宇宙に打ち上げるメッセージをそれぞれ作り、その中から小田島俊介君(10)の作品「ぼく達私達が作る宝物。それは『ゆめ』」を選んだ。
小田島君は、メッセージに、「みんなが夢を持ち、生きる希望に満ちた社会になってほしい」という願いと、自分自身が4歳の時に米航空宇宙局(NASA)を訪れて以来抱き続けてきた「『宇宙に行きたい』という夢を込めた」という。
小田島君と、ほかの8校の児童たちがリボンに記したメッセージは、特製のボールの中に縫い込まれた。若田さんは、スペースシャトルで国際宇宙ステーションに到着した後、日本の実験棟「きぼう」の中で、この特製ボールを使ってキャッチボールをする予定だ。
小田島君は「自分の夢を込めたメッセージが宇宙に行くなんて本当に夢のような気分です」と楽しみにしていた。