家庭の太陽光パネルで発電され、東京電力が買い取る余剰電力について、渋谷区は新年度、家庭に支払われる代金に1キロ・ワット時あたり30円を上乗せする事業を始める。太陽光パネルの普及を図ると同時に、家庭の電力消費を抑える狙い。10日発表する新年度予算案に計100世帯分約400万円を計上する。
環境省地球温暖化対策課によると、余剰電力売却代金への自治体の補助は珍しく、「全国でも先進的な取り組み」としている。
東電の余剰電力の買い取り額は、現在1キロ・ワット時あたり20〜30円程度。同区の補助を加えた場合、家庭の収入は倍増する。最も普及している出力3キロ・ワットのパネルを設置した家庭で、年間約2800キロ・ワット時を発電したと仮定し、このうち半分を余剰電力として売却、補助を受けたとすると、年間約4万円の増収となる。
区内では約50世帯が太陽光パネルを利用しており、区は新たに50世帯の設置を見込んでいる。補助は3年間の時限措置で、4月以降に利用者を募集する。
太陽光パネル設置の初期費用は200万円程度。同区では「家庭は増収により初期費用の回収を早めることができる。また、家庭が余剰電力を増やそうと自己消費分を抑制することで、環境への寄与も期待できる」としている。(杉野謙太郎)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090210-OYT8T00114.htm