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2009年02月10日(火) 19時45分

郵政民営化担当大臣は誰? 麻生首相記憶力のお粗末J-CASTニュース

 麻生内閣に対する支持率が、また大きく落ち込んだ。この背景にあるのは、「郵政民営化に反対だった」発言だと見られる。ただ、その後改めて「民営化したほうがいい、と最終的には思った」と軌道修正したものの、与党内からも批判があがっている。しかも、最近の国会答弁では「自分が担当大臣ではなかった」と強調。ところが、わずか5か月まえには、「私は郵政民営化を担当した大臣ですからね」と胸を張っていたことが発覚。またまた「発言のぶれ」が取りざたされることになりそうだ。

■「郵政民営化担当大臣は、竹中さんだった」

 麻生首相は2009年2月5日の衆院予算委員会で、郵政民営化について

  「小泉総理のもと、賛成じゃありませんでしたので…。内閣の一員として郵政民営化ということになって、最終的に賛成しましたが…」

と述べたほか、6日夜には、4分社化見直しについて

  「利用している人の利便性、経営の効率性の二つを考える。当然のことだ」

と、前向きに検討すべきだとの考えを示した。

 この発言については、「郵政選挙」当時自民党の幹事長を務めていた武部勤・党改革実行本部長も「(発言は)不見識と言わざるを得ない」と不快感をあらわにするなど、党内にも不満の声が広がった。

 これの「ぶれ」が世論にも伝わったのか、この発言直後に行われた各社の世論調査の結果を見ると、支持率は大きく落ち込みを見せている。2月10日には、朝日・読売・共同・NHKの調査結果が明らかになったが、最高でも読売の19.7%で、最低が朝日の14%。いずれも「危険水域」と言われる「20%割れ」の状態だ。

 この状況を受けて、麻生首相は2月9日の予算委員会では

  「最初は賛成ではなかった。しかし2年間にいろいろ勉強させていただいて、郵政民営化は経営のことを考えたら、十分に長期的なことを考えたら、民営化したほうがいい、というように最終的に思いました」

と、事実上の軌道修正を行い、「火消し」を図ったかのように見えた。この中でも、最近の答弁では、「自分は郵政民営化担当ではなかった」という点では、発言は一貫していた。

 例えば、2月5日には

  「郵政民営化担当大臣ではなかった。忘れないでください。これだけは」

と述べ、「軌道修正」した2月9日にも、

  「郵政民営化担当大臣は、竹中さんだったということだけは、ぜひ記憶に。妙なぬれ衣を着せられるのは、俺は甚だ面白くないから」

と、同様の発言をしている。

■「私は郵政民営化を担当した大臣ですからね」

 ところが、そのわずか5か月前には、全く逆のことを言っていたのだ。自民党総裁選期間中の08年9月12日、東京・内幸町の日本記者クラブで行われた討論会で、郵政民営化「推進論者」だった小池百合子元環境相から

  「郵政民営化について、(麻生氏が)どこかの取材に答えられまして、元経営者としては、5年たったら『うまくいかなかった』と証明できるのではないか、というように、あまりうまくいかないというふうにおっしゃっている部分があります。つまり、郵政民営化は失敗だったと思っていらっしゃるんでしょうか」

と突っ込まれると、

  「経営者として申しあげさせていただけば、まず間違えていただいては困るのは、私は郵政民営化を担当した大臣ですからね、忘れないでください。私が総務大臣として担当しておりました。私が担当としてやらせていただきましたので。郵政民営化を国営に戻すかのごとき話がばらまかれているのを知っていますけれども、私はその種の話をしたことは一回もないと存じます」

と、「私が担当」と断言。最近の答弁とは全く逆の発言をしていることが明らかになった形だ。

 こんな状況に対して、河村官房長官は2月10日の記者会見で、

  「これはどうなんでしょう?私、勘違いじゃないかと思いますね。担当大臣だと言い切っておられるとしたら、勘違いじゃないでしょうかね。担当大臣ではなかったですから」
  「改革をやり遂げる責任は総務相(だった麻生氏)が持っていた。ただ、(改革を)直接進めたのは竹中さん」

と釈明する一方、浜田防衛相は、

  「総理が口に出してしまったことは飲み込めませんので、これはしょうがないことなんですが、まぁ、そういうことがないように、他の部分で、その部分は支えられないかも知れませんが、自分の役割をしっかり果たしていくしかないのかな、という風に思っております」

と、半ば突き放したような格好だ。

 「身内からの批判」と言えば、早川忠孝法務政務官=自民党、埼玉4区=が2月9日、ブログで関連予算成立後の政務官辞任を表明し、2月10日になって撤回する、という騒ぎがあったばかり。批判する側も「ぶれ」を露呈した形だが、麻生首相の一連の発言のぶれは、当分尾を引くことになりそうだ。


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