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2009年02月10日(火) 21時20分

麻生首相 郵政選挙で迷走発言…また弁解毎日新聞

 麻生太郎首相は10日夕、05年9月の衆院選(郵政選挙)に関して「国民が感じていたのは民営化かそうではないかだけだったと思う。内容を詳しく知ってる方はほとんどいなかったと思う」と述べ、選挙時は国民に4分社化体制は周知されておらず、経営形態を見直すことは問題ないとの認識を強調した。【坂口裕彦】

 首相官邸で記者団に語った。自民党が大勝した郵政選挙の一部を否定したと受け取られかねない発言で、今後波紋を広げそうだ。

 郵政民営化関連法は4分社化することも含んでいる。しかし、首相は9日の衆院予算委員会で「我々が問うたのは民営化で、4分社化か3分社化かなんて問うてない」と答弁。10日は「法律的には入っている。だけど、多くの国民の中で4分社化、3分社化、2分社化というのを知っていた方はほとんどいないと思う」と語った。

 首相は5日の同委員会では「郵政民営化に賛成じゃなかった」と発言。9日は釈明に追われ、反対だったのは「03年の総務相就任時。(その後)2年かけて勉強し、最終的に賛成した」などと修正していた。政府関係者によると、首相は10日、小泉純一郎元首相に電話し、自らの発言について説明。小泉氏は「あの当時は皆反対だったからな」と問題視しない考えを伝えたという。

 ◇首相とのやりとり

 郵政民営化に関する首相と記者団のやり取りは次の通り。

 −−9日の衆院予算委で「05年衆院選で民意を問うたのは郵政の民営化であって、4分社化は問うていない」と発言した。

 首相 ああ、法律的にはね、あの中に入っていますよ。だけど、多くの国民の中で4分社化、3分社化、2分社化というのを知っていた方はほとんどいないと思いますね。

 −−04年9月に決定した郵政民営化の基本方針に4分社化は盛り込まれていた。

 首相 はい。

 −−基本方針の具体的な中身についても問うていると考えるのが自然ではないか。

 首相 そうかもしれませんが、ほとんどの方は「あの時、4分社化知っていましたか」と言われて、知っている人はほとんどいないというのが私の認識ですから。郵政民営化かそうではないかであの選挙は問われた。一般的な有権者の方々の意識は、皆さん(記者)ほど詳しくないと思っていますけどね。

 −−言っていることが矛盾しているとは考えていないのか。

 首相 いいえ、私はあの時、4分社化、3分社化というのは、法案を知っていますから内容は知っていましたよ。知っていましたけど、国民が感じていたのは民営化かそうではないかだけだったと思います。

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