2009年02月10日(火) 20時25分
石油危機超える最悪のマイナス幅? GDP前期比年率2ケタ減は確実(J-CASTニュース)
日本経済が急激に悪化、2009年2月16日に公表予定の08年10−12月期の実質GDP(国内総生産)成長率の予測値は前期比年率2ケタ減が確実視されている。シンクタンクの予想もマイナス10%〜13%前後に集中、オイルショック当時の1974年1−3月期を超える「過去最大のマイナス幅」になる可能性が出ている。
■08年10−12月期は過去最大の落ち込み
日本経済は未曾有のグローバル不況に直撃を受けている。2008年10−12月期の実質GDP成長率は、多くのシンクタンクの予測値も、前期比年率マイナス10%〜13%前後に集中している。
第一生命経済研究所が2月9日に発表した実質GDP予測値の修正は、前期比年率マイナス13.3%。09年1−3月期についても、鉱工業生産や1月の輸出額などが2ケタ減の大幅な悪化で、「08年度下期の国内景気は、かつてないほどの悪化となった可能性が高い」としている。
マイナス13.3%だとすると、過去最悪の1974年1−3月期のマイナス13.1%を超える。74年当時はオイルショックで、モノ不足の狂乱物価と、最近と同じような工場の閉鎖や新規採用の抑制などの雇用調整、企業倒産も相次いだ。
日銀の門間局長は、鉱工業生産の急激な落ち込みについて「いざなぎ景気を超す69か月もの景気の拡張分をわずか数か月で吹き飛ばしたことになる」と、あまりに激しい変動に手の打ちようがないようす。09年1−3月期は、08年10−12月期よりも「さらにマイナス幅が広がる」と予測している。
与謝野馨・経済財政担当相も2月10日の閣議後、「日本経済はパフォーマンスが非常に悪化している」と、厳しい経済情勢にあることを認めた。
■「日本が米国の消費に頼っていたツケが回ってきた」
日本の景気について、日銀の門間局長は「足元の落ち込みは米国よりもはるかに急だ」と指摘している。国際通貨基金(IMF)によると、2009年(暦年)の主要20か国の経済成長見通しは、中国が6.7%でトップ。米国はマイナス1.6%、日本はマイナス2.6%で第17位。日本より下位なのは、英国(マイナス2.8%)と韓国(マイナス4.0%)だけだ。
世界的な金融危機の震源地である米国(第13位)よりも、日本経済が悪化しているが、その理由を第一生命経済研究所の主席エコノミスト・熊野英生氏は、「たしかに金融は日本より米国のほうが傷んでいるが、いまの景気悪化は日本が米国の消費に頼っていたツケが回ってきたようなもの」と説明する。
米金融機関の経営悪化によって景気後退、消費悪化。それが日本の輸出減少につながり、製造業の設備投資への意欲を冷やした。「米国の景気悪化がダイレクトに伝わってしまった」(熊野氏)という。
特効薬はなかなか見当たらないが、国が公的資金などで、輸出企業をはじめとした大企業を支援するしかないところにきている。
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