米ハワイ沖で2001年2月、愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸(35人乗り組み、499トン)が米原潜に衝突され沈没、実習生ら9人が亡くなった事故から10日で8年を迎えた。同校は「えひめ丸事故追想の日式典」を開いて犠牲者の冥福を祈り、海の安全を誓った。
遺族や生徒、教職員ら計約340人が事故発生時刻の午前8時43分(現地時間9日午後1時43分)、えひめ丸から引き揚げられた鐘を9回鳴らし黙とう。
今岡慎三校長は「大きな憤り、悲しみが癒えることはない。事故の教訓を生かすことが私たちの使命」とあいさつした。
生徒会役員が事故の経緯をまとめた記録を発表し、作曲家三枝成彰さんらがつくった鎮魂歌「希望海(きぼうかい)」を地元コーラスグループが合唱、参加者が正門脇の慰霊碑で白菊を献花した。
亡くなった寺田祐介さん=当時(17)=の父亮介さん(53)は「時間が止まったままで、8年たった実感はない」と、今も続く苦しみを吐露。
3年の谷岡義治さん(18)は「イージス艦と漁船の衝突など事故は後を絶たない。海の安全のために何ができるか考えたい」と話した。
事故現場海域を臨む米ホノルルの海浜公園では、一部遺族らが慰霊碑前で黙とうをささげ、献花した。
(2009年2月10日13時04分 スポーツ報知)
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