7月22日にトカラ列島(鹿児島県十島村)や種子島南部などで観測できる皆既日食にあわせ、アーティスト・日比野克彦さん(50)たちが製作した船「太陽丸」の進水式が7日、鹿児島市本港新町の商業施設「ドルフィンポート」沖の錦江湾で行われた。
県や鹿児島大、宇宙航空研究開発機構などでつくる「2009皆既日食鹿児島実行委員会」(委員長=面高(おもだか)俊宏・同大理事)が主催。鹿児島市で太陽丸、種子島で「月丸」を作り、2隻が皆既日食にあわせて種子島沖の海上で出会う。太陽と月が重なる皆既日食を演出し、世紀の天文ショーを盛り上げるという。
太陽丸は桜島をモチーフにした船。段ボールや新聞紙などを使い、アートディレクターを務める日比野さんやボランティアら二百数十人が、昨年10月から鹿児島市内で製作していた。
進水式では、太陽丸が岸壁からクレーンでつり降ろされて無事着水。通行人らが見守る中、日比野さんも太陽丸に乗り込み、ボートにえい航されて、錦江湾をゆっくりと進んだ。日比野さんは「ハンモックに揺られているような乗り心地」と満足げだった。
太陽丸は3月末まで、ドルフィンポートで展示される。月丸は今月から同県西之表市内で製作されている。