日産自動車は9日、自動車不況を受けて正社員を含めた国内外のグループの従業員のうち、1割近い2万人を2010年3月末までに削減し、計21万5000人にすると発表した。国内では新規採用の抑制などによる正社員4000人を含め計1万2000人を削減。今回の景気後退局面での正社員の削減数としては、国内自動車業界では最大規模となる。
また、09年3月期連結決算見通しを下方修正し、営業損益を従来予想の2700億円の黒字から1800億円の赤字に引き下げた。営業赤字は1995年3月期以来、14年ぶりで、90年代後半の経営危機から再建した現社長のカルロス・ゴーン氏が経営トップに就任後で初めて。
純損益も1600億円の黒字から2650億円の赤字へ、売上高も9兆6000億円から8兆3000億円に修正した。業績の急降下を受け、ゴーン社長は再び大規模リストラに踏み出す。
東京都内で記者会見したゴーン社長は、ワークシェアリングを導入する方針も表明し「日本や欧米など高コストの国々で労務費を2008年度の8750億円から、09年度に約20%下げて7000億円に抑える」と表明。ただ、将来の景気回復を見据えて、工場の閉鎖計画は今のところないとしている。取締役と執行役員の報酬を10%カットし、日産と国内関係会社の全管理職の基本年俸を5%削減する。
また、08年度の世界生産台数を、当初計画より78万7000台減産する。08—12年度に世界で発売を予定している新型車と全面改良車の計60車種については、2割減の48車種にすることも正式発表した。ルノーと予定していたモロッコでの自動車工場建設計画は一時中断し、インド・チェンナイの乗用車工場は予定通り10年に生産を始めるものの、生産ラインを当初予定の半分の1本でスタートする。
(2009年2月9日19時15分 スポーツ報知)
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