和歌山県すさみ町の、世界遺産に登録されている熊野古道大辺路「長井坂」で、JR西日本和歌山支社発注の工事を請け負った業者が、同町教育委員会に事前申請せずに作業用モノレールを設置し、古道沿いの石垣の一部を壊していたことが8日、分かった。
町教委は「世界遺産に対する認識が不十分」として、工事を一時中断するよう申し入れた。同支社は、9日に町を訪れて謝罪した。
石垣は幅0・8—1メートルで、高さ約0・5メートル。イノシシよけのため、江戸時代に造られたとされ「猪垣(ししがき)」と呼ばれる。
町教委によると、業者は線路への土砂崩落を防ぐ金網を張り替える工事のため、古道を横切る形で資材を運ぶモノレールを敷設。猪垣を長さ約4・5メートルにわたり壊したという。6日午後、近くの住民が発見し、すさみ町に連絡した。
世界遺産に登録されている熊野古道やその周辺で工事などをする場合、町教委に事前の申請が必要。
(2009年2月9日11時55分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090209-OHT1T00188.htm