先月7日、和歌山—徳島間を航行中のフェリーで、少年の行方が分からなくなっていた騒動で、和歌山、徳島両海上保安部は8日、少年の無事を確認したことを発表した。少年の母親がインターネット上の記事を読んで「うちの子だ」と当局に連絡したことで判明。「行方不明」の原因は、フェリーに別々に乗船した家族と船内で合流し、車で下船したためだという。
事故か、それとも神隠しか。関係者を不安にさせ続けた騒動は、ホッと一安心の結末を迎えた。
和歌山、徳島両海上本部によると、行方不明扱いされていた少年は、香川県三豊市の小学5年生(11)。7日深夜、「行方不明から1か月」という記事をインターネットで見た少年の母親が「息子だ」と和歌山海上保安部に連絡。少年の無事を確認した。
少年ら家族5人は先月6日、車で自宅を出発。フェリーを経由し、和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」などを観光した。翌7日は大阪観光をして、同日夜、徳島港行きの「フェリーつるぎ」が出発する和歌山港に到着した。その際、両親が少年に「社会勉強だと思って、自分でチケットを買って船に乗ってごらん」と提案。これが騒動の発端となった。
少年は1人で乗船し、少年を除く家族4人は車でフェリーに乗り込んだ。その後、少年は家族と合流し、一緒に車に乗って下船した。
到着後、小人(12歳以下)のチケット1枚が回収されていないことが判明。和歌山港の乗船券売り場の防犯カメラでは、少年は写っていたが、徳島港では姿を確認できず、捜索が始まった。
海に転落した可能性があるとみて発生初日、海上保安部は巡視船4隻、ヘリコプター2機で航路を捜索。その後は定期的なパトロールに加え、民間船にも協力を求め、少年の行方を捜していた。警察も家出人捜索願を調べたが、該当者はなかったという。
発生からちょうど1か月で騒動を初めて知ったという少年の母親は「大変お騒がせした。申し訳ありません」と平謝り。通常の乗船では降りる際にもチケットの半券を係員に渡すが、車の場合は乗船の前に運転手の名前、人数などを確認して運賃を徴収するだけで、人数分の券は配布しない。少年が車で下船したため、券を回収できず、行方不明扱いになってしまったという。
(2009年2月9日06時01分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090209-OHT1T00045.htm