2009年02月09日(月) 15時00分
<大分キヤノン工事脱税疑惑>鹿島社員、裏金提供認める(毎日新聞)
キヤノンの工事を巡るコンサルタント会社「大光」(大分市)の大賀規久社長(65)らによる脱税疑惑で、工事を受注した大手ゼネコン「鹿島」の担当社員が東京地検特捜部の調べに「大賀社長から裏金を要求され断り切れず渡した」と供述していることが鹿島関係者への取材で分かった。金融ブローカーが大賀社長側に架空の領収書を渡し脱税工作に協力していたことも判明。特捜部は近く大賀社長ら10人前後を法人税法違反容疑で取り調べる方針を固めた模様だ。
鹿島関係者によると、裏金の提供を認めているのは、大分市のデジタルカメラ生産子会社「大分キヤノン」造成・建設工事(受注額約220億円)や隣接するプリンター関連生産子会社「大分キヤノンマテリアル」造成・建設工事(同約278億円)を担当した現地の工事担当者ら。
担当者らは1月20日ごろから始まった任意の事情聴取に対し、「領収書のいらない金(裏金)を大賀社長に要求され断れなかった。工事を受注できたので成功報酬として事後的に渡した」などと総額約5億円に上る資金提供を認めているという。
捜査関係者によると、新たに関与が判明したのは金融ブローカーら。金融ブローカーらは、大賀社長や大賀社長の腹心とされる大阪市のコンサルタント会社社長(61)の要求に応じ、金額を水増ししたり、架空の領収書を発行。大賀社長らはこの領収書を基に架空経費を計上、所得を大幅に圧縮して税務申告した疑いがあるという。
大賀社長には、川崎市幸区のキヤノン矢向(やこう)事業所の電気関連工事を鹿島の下請けとして受注した電気設備工事大手「九電工」も約2億円の裏金を提供していた実態が既に判明。大光や建設関連会社「匠(たくみ)」(東京都千代田区)、同「ライトブラック」(大分市)の大光グループ計3社は、7億円超の裏金については税務申告しておらず、総額約30億円の申告漏れが分かっている。
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