【シドニー8日共同】オーストラリア南東部ビクトリア州で起きた大規模な山火事で、同州警察は八日、死者が三十五人に達したと発表した。焼失した建物は小学校や警察署などを含め、少なくとも約百棟。死者は四十人を超える恐れがある。
ラッド首相は同日、消火活動支援などのため陸軍に出動準備を命じるとともに、メルボルン北方の被災地に入った。メルボルンなどでは八日午前、雨が降り、気温が二〇度台に下がったが、鎮火には数日かかる見通し。
地元メディアによると、メルボルンの北方を中心に同州の九カ所に広がった山火事の被害地域は約十万ヘクタール。建物の90%が焼失した町もあった。
同州では真夏を迎えた一月末から記録的猛暑となり、地元メディアによると、メルボルンの七日の気温は過去最高の四六・四度。同国南部はここ数年の干ばつで乾燥しきっており、強風も重なって被害が広がった。
今回の山火事は、ビクトリア州とサウスオーストラリア州で七十人以上が死亡した一九八三年の山火事以来、最悪の被害。