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2009年02月08日(日) 12時08分

温室ガス25%削減を想定 検討委、中期目標6手法中国新聞

 日本の温室効果ガス排出削減の中期目標の選択肢をつくる国の「中期目標検討委員会」(座長・福井俊彦ふくい・としひこ前日銀総裁)が、先進国全体で二〇二〇年に一九九〇年比で25%削減することなどを想定した六つの目標算定方法を検討していることが七日、分かった。

 それぞれに対応した日本の削減数値自体は未定だが、暫定的な試算では、日本も九〇年比25%減との厳しいものから、5%程度の増加を許すものまで、幅広いものとなりそうだ。

 中期目標は、二〇一三年以降の新たな温暖化対策についての国際交渉上重要。十二日、首相の地球温暖化問題に関する懇談会に報告する。政府は検討委が最終的に示す選択肢を基に、六月までに日本の目標を最終決定する。

 検討委は、日本の中期目標決定の前提条件として、先進国全体が二〇年に九〇年比25%削減するケースなどを想定。その上で「日本も25%削減」のほか「二酸化炭素(CO2)一トン当たりの削減費用を各国で同じにする」「各国の削減費用が国内総生産(GDP)に占める比率を同じにする」との二つの手法で試算、それぞれの削減数値を日本の目標の選択肢とする方向で検討している。

 「25%減」の前提以外にも経済産業省の長期エネルギー需給見通しのうち、二通りの排出予測に基づく数値を検討。他国が掲げる目標の達成に必要なCO2一トン当たりの削減費用を試算、同じ費用で日本で対策を進めた場合に実現できる削減数値も、選択肢となる見通し。

 この結果、日本の目標の選択肢は、大きな幅を持つことになりそうだ。

 試算値は、今後の検討で変わる可能性もあるほか、森林吸収や海外からの排出枠獲得が認められれば、より大きくなる可能性もある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902080101.html