記事登録
2009年02月08日(日) 02時34分

<円天事件>L&G「韓国でウォン天」 資金窮し海外計画も毎日新聞

 「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、破産手続き中)による組織的詐欺事件で、会長の波和二(かずつぎ)容疑者(75)が、韓国や中国、米国に進出し電子マネー「円天」と同様の仕組みを導入する構想を持っていたことが分かった。警視庁などの特別捜査本部は、資金繰りに窮したL&Gが新たな市場を開拓しようとしていたとみている。

 捜査本部によると、L&Gは04年ごろ、10万円を出資すると毎年同額面の「円天」が受け取れる「円天受取保証金」制度を導入。インターネットサイトの円天市場や全国を巡回するバザー会場で商品を購入できる仕組みで、円天目当ての会員が急増した。

 元幹部によると波容疑者は06年ごろ、このシステムを海外でも広めようと計画。「世界経済円天構想」と名付け、韓国・ソウルにグループ会社「L&G KOREA」を設立した。健康布団の販売を主な事業に掲げ波容疑者の元妻を社長にしたが、実際は実体のないペーパーカンパニーだったという。

 06年12月には、会員向けのパンフレットなどで、韓国の通貨ウォンにならった「ウォン天」を紹介、「07年2月から韓国に進出し『ウォン天』のシステムをスタートする。いずれは中国・香港や米国・ハワイでもやる」と説明した。社員にも「日本がだめになっても、韓国や米国でもうければいい」と強調していたという。

 資金繰りが行き詰まったため海外進出が実行に移されることはなかったが、元幹部は「経営が健全だということを印象付けるのも狙いの一つだった」と指摘している。【武内亮、町田徳丈】

【関連ニュース】
円天事件:「エビ養殖」投資会社と攻防 会員獲得巡り
円天事件:イベントに芸能人30人 報酬返還、対応割れ
円天事件:格付け制度を導入、会員の競争心あおる L&G
円天事件:出資募集前に破綻…L&G、00年に債務超過
円天事件:元幹部「円天はおもちゃの金」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090208-00000007-mai-soci