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2009年02月08日(日) 00時53分

L&G波容疑者、銀行設立資金集め構想産経新聞

 健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G)の組織的詐欺事件で、会長の波和二(かずつぎ)容疑者(75)が会員に配当が払えなくなる直前、銀行を設立して資金を集める構想を会員らに打ち明けていたことが7日、分かった。資金繰りに行き詰まった波容疑者が、新たな金集めの手段にしようとしたとみられる。警視庁などの特別捜査本部は同日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で、波容疑者ら22人を送検。波容疑者を含む20人は容疑を否認しているという。

 関係者の話によると、波容疑者は資金繰りに行き詰まっていた平成18年、幹部社員らに「これからは銀行として金を集めよう」と指示。「合法的に金を集めるには銀行がいい」と説明したといい、幹部社員らは海外の銀行を買収することなどを検討したという。

 波容疑者はその後、会員を集めた集会の席で「銀行なんか、すぐできる」などと発言。元幹部は「切羽詰まっていた会長が考えたあらゆる金集めの手段のうちのひとつではないか」と説明している。

 波容疑者らは会員に配当が払えなくなった19年1月以後も「円天共鳴金」「円天社債」などの名目で新たな出資を募集。「共鳴金」は1口100万円で金利は月1%。同年6月ごろから募集を始め、集まった共鳴金で「円天市場の商品を仕入れる」と説明していた。

 翌月には、関連会社「日本アーク協会」の名前で、1口1000万円で年利24%を受け取れる「円天社債」の募集を開始。L&Gは当時、会員から配当の支払いや元本の返済に迫られており、新たな収入を返済に回そうとした可能性がある。捜査本部は、波容疑者らがさまざまな名目で資金を募っていたとみて調べている。

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